再就職手当は、失業保険受給中の求職者が早期に再就職することを促す制度で、就職祝い金としてハローワークから支給されます。
給付額は、失業保険の残給付日数により異なり、給付日数が多いほど多くの金額がもらえます。この制度は正社員だけでなく、条件を満たした派遣社員にも適用されますが、再就職手当を受け取るには複数の条件をクリアする必要があります。必要な書類の準備や申請の流れについても理解し、期限内に申請することが重要です。
再就職後すぐに辞めた場合でも返還義務はないものの、手当の支給を受けるためには一定期間の就業が推奨されます。

再就職手当は派遣社員ももらえる?

再就職手当をもらうための条件がわからない…
派遣社員が再就職手当をもらう方法について知りたい
本記事では上記の疑問や要望などにお応えします。
派遣社員として働いたあとに再就職した方の中には、再就職手当をもらえるのかわからず困っている方もいるでしょう。
結論、さまざまな条件を満たせば派遣社員も再就職手当をもらえます。
今回は、派遣社員が再就職手当をもらえる条件やもらえないケース、申請方法などを解説します。
最後まで読めば、派遣社員も再就職手当をもらえる可能性があることを理解できるでしょう。

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そもそも再就職手当とは?

再就職手当とは、失業保険をもらいながら求職活動をしている方が、なるべく早く再就職することを促すために設けられた制度です。
失業保険の受給資格を得てから再就職するまでの期間に応じて、ハローワークから就職祝い金としてお金をもらえます。
以下の通り、失業保険の給付期間の残日数に応じてもらえる金額は異なるのが特徴です。
- 失業保険の給付日数が3分の2以上残っている:給付率70%
- 失業保険の給付日数が3分の1以上残っている:給付率60%
失業保険の給付日数の残りが多くなると、再就職手当としてもらえる金額も多くなります。
失業保険をもらっている方の中には「失業保険を満額もらえないと損だ」と考え、わざと求職活動を遅らせる方もいるかもしれません。
早期に再就職すると再就職手当をもらえるのみでなく、会社からの給与を得られたり仕事のブランク期間を短くできたりと多くのメリットがあります。
再就職手当は派遣社員ももらえる?

再就職手当は派遣社員ももらえるのか不安に感じている方も多いかも知れませんが、条件を満たせばもらえます。
条件は8つあり、全ての条件を満たせないと再就職手当をもらえなくなる点は注意が必要です。
派遣の契約更新が3ヶ月と短い期間でも再就職手当をもらえるのかという点も含め、ここから具体的に解説します。
条件を満たせば受給できる
再就職手当の特徴として、条件を満たせば正社員に限らず派遣社員ももらえる点があげられます。
後述する通り、再就職手当をもらうにはさまざまな条件が設定されており、全ての条件を満たす必要がある点は注意が必要です。
条件を満たせているのかチェックしたうえで、該当する方はハローワークで手続きを進めるとよいでしょう。
受給の条件
再就職手当をもらうための条件とは、具体的に以下の表の通りです。
再就職手当をもらう条件 | 内容 |
---|---|
1年以上の勤務が確実であること | ・1年未満の短期間の派遣の場合はもらえない ・3ヶ月契約など短期間の場合でも、「契約更新の可能性がある」となっている場合は条件を満たせる ※契約更新に条件が設定されている場合は、条件を満たせない可能性がある |
前の職場以外への就職であること | ・派遣社員の場合、同じ派遣会社を利用すると条件を満たせなくなる ・派遣社員の雇用元は就業先ではなく、派遣会社であるため |
雇用保険の被保険者であること | ・再就職先の雇用保険に加入する必要がある ・派遣社員の場合、派遣会社の雇用保険に加入する ・31日以上の雇用見込み、1週間当たり20時間以上勤務する場合に加入する |
7日間の待機期間を経て働き始めていること | ・失業保険の受給決定後、7日間の待機期間が終わってから再就職先を決めている必要がある ・待機期間中に、本当に就労していないのか確認される |
【給付制限のある方】 待機期間満了後1ヶ月は、紹介で就職していること | ・自己都合で退職した方の場合、失業保険をもらうまでには2ヶ月の給付制限がある ・待機期間後1ヶ月は、ハローワークか厚生労働省が許可した民間の職業紹介会社から就職する必要がある |
失業保険の支給残日数が、所定給付日数の3分の1以上ある状態で就職していること | ・失業保険の支給残日数が3分の1以下で再就職した場合、再就職手当をもらえない 例)失業保険を90日もらえる方が、残日数29日の状態で再就職すると対象外になる |
過去3年以内に再就職手当をもらっていないこと | ・再就職手当のほか、常用就職手当や就業手当をもらっていないことも条件となる ・常用就職手当:障害のある方や高齢者などが安定した仕事に就いた場合に、手当をもらえる制度 ・就業手当:失業保険の受給対象とならない短期間の仕事に就いた場合、お金をもらえる制度 |
失業保険の受給資格決定前に内定をもらっていないこと | ・ハローワークで失業保険の申込み・受給資格を得る前に就職先を決めていないこと |
再就職手当をもらうには、内定をもらうまでの期間やタイミング、勤務条件など押さえるべき点が多くあります。
再就職手当をもらいたいと考えている派遣の方は、条件を理解したうえで求職活動するのがポイントです。
派遣の契約が3ヶ月更新の場合はどうなる?
派遣の契約期間が3ヶ月更新となっている場合、原則として再就職手当をもらえます。
前述の通り、1年以上働く見込みのある方が再就職手当の受給対象ではあるものの、契約更新がある場合に限り、短期間派遣の方も対象となるためです。
ただし、契約更新するうえでの条件がある場合、契約更新とならない恐れもあることから、原則として再就職手当をもらえません。
3ヶ月更新で派遣社員として働く場合、契約更新するには特別な条件を満たす必要があるのかを確認しておくとよいでしょう。
派遣社員が再就職手当を申請する方法

派遣社員が再就職手当を申請するときは、以下のポイントを理解しておくとスムーズに手続きを進められるでしょう。
- 必要な書類
- 申請の流れ
- 申請期限
ここから具体的に解説します。
必要な書類
再就職手当を申請するときは、以下の書類を用意する必要があります。
- 再就職手当支給申請書:氏名や住所など自分で記入する箇所と、派遣会社に記入してもらう箇所の2つがある
- 雇用保険受給資格者証:失業保険の受給がきまったときに、ハローワークからもらえる
- 失業認定申告書:失業保険の認定を受けるときに、求職活動の実績を報告するための書類
- 採用証明書:失業者からの依頼で派遣会社が記入すると、派遣社員として採用したことを証明できる書類
自分で用意する必要のある書類のみでなく、派遣会社に記入してもらわなくてはいけない書類もあるのが特徴です。
申請期限があることから、なるべく早めに対応するのがポイントです。
申請の流れ
再就職手当をもらうまでには、以下の手順で進みます。
- 採用証明書を用意する:雇用保険の申込みをするときにもらう採用証明書を、派遣会社に記入してもらう
- ハローワークへ必要書類を提出する:採用証明書、雇用保険受給資格者証、失業認定報告書の3点を提出する。ハローワークから再就職手当支給申請書が渡される
- 再就職手当支給申請書を派遣会社に提出する:事業主欄に記入してもらい、内容を確認したうえで本人記入欄を記入する
- ハローワークへ再就職手当支給申請書と雇用保険受給資格者証を提出する:退職前の会社と再就職先の会社とは無関係であることを証明する書類や、タイムカードの写しが必要なケースもある
提出する書類に不備があるとやり直しとなり、時間や手間などが発生することから、よく確認したうえでハローワークへ提出するとよいでしょう。
申請期限
再就職手当を申請できるのは、原則として再就職日の翌日から1ヶ月となっています。
1日でも早く申請すると、その分早くお金を振り込んでもらえる可能性があります。
生活費の足しにしたいと考えている方は、なるべく早く申請するのが望ましいです。
都合が悪かったり忘れたりしたことで申請期限を過ぎた場合でも、再就職日から2年以内であれば申請が可能である点は覚えておくとよいでしょう。
ハローワークに申請に行けない場合、返信用の封筒を同封したうえで郵送にて書類を提出することも可能です。
派遣の場合は採用証明書をどこでもらえる?

ハローワークで失業保険の申請をしたときにもらう「受給資格者のしおり」の中に採用証明書が入っています。
採用証明書の記入は派遣会社に依頼をする必要があり、会社によってはWebサイトから申請できるケースもあります。
採用証明書を紛失した場合、ハローワークのWebサイトからダウンロードして利用することが可能です。
各自治体によって様式が異なるケースもあることから、自分の住所を管轄するハローワークのWebサイトを利用するのがポイントです。
派遣社員が再就職手当をもらえない状況4つ

派遣社員に限りませんが、再就職手当をもらうには前述の条件を全て満たす必要があります。
再就職手当をもらえないよくあるケースについて知っておくと、対策できる可能性があります。
- 雇用保険に未加入
- 失業保険の支給残日数の不足
- 同じ派遣会社を利用しての再就職
- 単発や短期の再就職
上記の点について、ここから具体的に解説します。
雇用保険に未加入
派遣社員が再就職手当をもらえない状況として、雇用保険に加入していないときがあげられます。
再就職手当とは雇用保険の就業促進給付の1つであるためです。
1週間に20時間以上働く方や31日以上雇用してもらえる方は、全員雇用保険への加入が義務となっています。
失業保険の支給残日数の不足
派遣社員が再就職手当をもらえない状況は、失業保険の支給残日数が3分の1未満となっているときです。
支給残日数とは、失業保険の全期間から再就職する前日までの期間を引くことで求められます。
再就職した人全員が再就職手当をもらえるのではなく、失業保険の給付期間に応じた期限が決まっている点は注意が必要です。
同じ派遣会社を利用しての再就職
派遣社員が再就職手当をもらえない状況とは、同じ派遣会社を利用して再就職したときです。
派遣先が異なっていればいいのではないかと考える方もいるかも知れませんが、派遣社員を雇用するのは派遣会社であるためです。
再就職手当をもらうには、前職と同じ会社や勤めていた会社と人事や資本などで密接な関係のある会社を避ける必要があります。
単発や短期の再就職
派遣社員が再就職手当をもらえないのは、単発や短期で再就職したときです。
再就職手当をもらう条件として、1年以上の長期契約や契約更新される見込みのある短期派遣である点があげられます。
派遣社員として再就職するときは1年未満の雇用となるケースも多く、契約更新があるのかがポイントです。
再就職手当をもらったあとすぐに派遣をやめてもよい

再就職手当をもらったあとですぐに派遣をやめるケースもあるかも知れませんが、問題ありません。
再就職先が自分に合わず、数ヶ月で辞める場合はお金を返還しなくてはいけないのではないかと、不安に感じる方もいるでしょう。
再就職手当をもらう条件として、再就職した後にどのくらいの期間働かなくてはいけないと決まっていないことから、不安に感じる必要はありません。
再就職手当をもらえることが決まっていても、振り込まれるまでに辞めると再就職手当をもらえなくなる点は注意が必要です。
再就職手当の申請をしてから約1ヶ月後に、ハローワークから職場へ対して在籍しているかの確認がされます。
再就職手当をもらうには、目安として再就職先で1ヶ月以上は仕事を続けることがポイントです。
まとめ
再就職手当は派遣社員の方ももらえる可能性があることについて解説してきました。
本記事のまとめは以下の通りです。
- 再就職手当とは、失業保険をもらいながら求職活動している方が、なるべく早く再就職することを促すための制度である
- 再就職手当は3ヶ月更新の派遣社員ももらえる可能性がある
- 再就職手当を申請するには、ハローワークで手続きをする必要がある
- 派遣の場合、「受給資格者のしおり」の中か、Webサイトからダウンロードすると採用証明書を入手できる
- 派遣社員が再就職手当をもらえない状況としてよくあるケースは、4つあげられる
- 再就職手当をもらったあとにすぐに退職しても、問題にはならない
再就職手当をもらうには多くの条件を満たす必要があることから、求職活動をする前に理解しておくのが望ましいです。
再就職手当をもらうことで、生活していく上での心の支えとなるでしょう。
本記事を参考に、派遣社員の方も再就職手当をもらえることを理解していただければ幸いです。