上司からの理不尽な指導、暴言、叱責などで精神的な苦痛を受けている方もいるのではないでしょうか。
この場合、ハローワークにパワハラ相談を行うことができます。
パワハラ相談を行うことでその後の対処法などのアドバイスがもらえるので、対応をスムーズに行えるでしょう。
本記事ではハローワークにパワハラ相談を行うメリットや退職理由を変更する流れなどを解説しています。
ぜひ最後までご覧ください。
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ハローワークでパワハラ相談を行う利点は?
ハローワークにパワハラの相談するメリットとして最も大きいのは、自己都合退職で辞めても会社都合退職への変更ができる点です。
なぜ会社都合退職への変更が可能なのか、そのメリットをご紹介します。
状況次第では自己都合退職から会社都合退職への変更が可能
自己都合退職で会社を辞めた場合でも、ハローワークを通じて会社都合退職に変更することが可能です。
そもそも自己都合退職か会社都合退職かを決めるのは会社側なので、どんな理由であれ労働者側から退職を申し出れば自己都合退職となります。
パワハラや仕事が理由によって発症した精神疾患などを理由に会社を辞めても、自分から退職を申し出れば自己都合退職という形になってしまうのです。
そのため、ハローワークにパワハラ相談などを行い、ハローワークが判断して会社都合退職に変更することが可能です。
自己都合退職と会社都合退職それぞれの違い
2つの退職理由の大きな違いとして、まず給付制限の有無にあります。
自己都合退職の場合、待期期間を終えてから2か月ないし3か月間の給付制限があるため、実際に失業保険を受け取れるのは2か月半以上先です。
一方、会社都合退職の場合は給付制限がないため、自己都合退職よりも2か月早く給付を受けられます。
また給付日数では自己都合退職は日数が少なくなりやすいですが、会社都合退職であれば330日分まで受け取れるなど、条件がよくなるため、大きな違いです。
ハローワークでパワハラ相談を行い、会社都合退職へ変更するポイント
ハローワークでパワハラ相談を行う上で退職理由を変更する流れとしては、2つのポイントに分けられます。
- 退職理由を整理する
- パワハラの証拠を集める
この2つのポイントに関連した内容をご紹介していきます。
退職理由をまとめる
1つ目のポイントは、退職理由をまとめることです。
相談を行う際、最初にパワハラで会社を辞めたことを伝えましょう。
その場合、ハローワークから離職理由説明書や申立書を書くように求められます。
これらはパワハラを受けて退職に至ったという説明を行うのに必要なものであり、用意することでパワハラの事実が認定されやすくなります。
パワハラの証拠を集める
2つ目のポイントはパワハラの証拠を集めることです。
自己都合退職と会社都合退職では給付制限の有無など大きな違いがあるため、確実な証拠がないとハローワーク側も決断を下せません。
パワハラを受けたかどうかを証明するのは労働者側にあり、パワハラがあったと認めてもらえるような証拠の提示が求められます。
ここからはどんな証拠がパワハラの立証につながるのか、証拠の具体的な中身をご紹介します。
元従業員を含めた従業員2人以上の証言
1つ目は従業員2人以上の証言です。
実際にパワハラを受けている現場を見た2人以上の従業員から証言をもらうことで、パワハラの事実を立証することができます。
第三者の立場にいる人が2人以上見ていることで、パワハラの事実が認められやすくなるのです。
既に会社を辞めている元従業員でも問題はなく、証拠として認められます。
パワハラを受けた際の録音データ
2つ目の証拠はパワハラを受けた際の録音データです。
実際に叱責を受けている音声や人格否定、人権侵害などにつながる音声があれば、パワハラがあったと認められます。
録音データはiPhoneのボイスメモなど様々な形で録音がしやすいので、パワハラを受け始めた際に録音をし始めることをおすすめします。
ケガを負った際に撮影した写真
3つ目の証拠は、ケガを負った際に撮影した写真です。
暴力を振るわれた際にはどの部分を殴られたのかを写真に収めることが大切です。
写真に加え、診断書を確保しておけば、パワハラによってケガに至ったことを証明できます。
暴力を振るわれたら、すぐに病院に駆け込んで診断書を書いてもらうことをおすすめします。
スマホのメモ帳などで書いた記録
4つ目の証拠はスマホのメモ帳などで書いた記録です。
日付や日時を記載し、この日パワハラを受けた、過度な叱責を受けたなど、内容を含めて書いておくと証拠になりやすいでしょう。
日記帳もいいですが、スマホのメモ帳などを利用していき、すぐに日記など記録をつけられるようにするのがおすすめです。
1度認められなくても改めて申請できる
ハローワークに相談を行っても、すぐにパワハラの事実が認定されるわけではありません。
例えば、証拠が少なく、パワハラの事実を認定するには材料が足りないこともあるためです。
ただ、最初に「パワハラの事実があったと認められない」という判断が出た日の翌日から3か月以内に、再度証拠を集めて申請を出せば事実認定を受けることもあります。
できれば最初から証拠をそろえるのがいいですが、証言を得るのに時間がかかる場合もあるので、焦らず準備をしていきましょう。
ハローワーク以外で相談できる窓口は?
パワハラ相談の窓口はハローワークだけに限りません。
以下の5つの窓口でもパワハラ相談が可能です。
- 総合労働相談コーナー
- 労働相談センター
- 労働条件相談ほっとライン
- みんなの人権110番
- 法テラス
総合労働相談コーナー
1つ目は総合労働相談コーナーです。
総合労働相談コーナーは全都道府県に設置されている相談窓口であり、主に労働関係の相談について対応しています。
対面ではもちろんのこと、電話での相談も受け付けており、相談は無料です。
企業側に法律違反などの疑義が生じれば、その後労働基準監督署が引き取る形で対応することもあります。
労働相談センター
2つ目は労働相談センターです。
労働相談センターは自治体が設置している労働相談に関する窓口ですが、性質は総合労働相談コーナーと似ています。
自治体によってバラつきがあり、弁護士が窓口にいる自治体もあります。
一方で労働基準監督署が取り次ぐような仕組みがないため、相談やアドバイスなどに限られることに注意が必要です。
労働条件相談ほっとライン
3つ目は労働条件相談ほっとラインです。
労働条件相談ほっとラインは、土日祝日に労働に関する相談が行える窓口となっています。
土日祝日は労働基準監督署など官公庁が閉まっているため、その代わりになる窓口と言えるでしょう。
民間企業に委託される形となっていますが、安心して電話での相談が行えます。
みんなの人権110番
4つ目はみんなの人権110番です。
みんなの人権110番は法務局を中心に展開している相談電話となっています。
お近くの法務局につながり、職員や人権擁護委員が実際に対応し、その後職員が調査を行う流れです。
この調査で人権侵害などが認められば救済されることもあります。
法テラス
最後は法テラスです。
法テラスは法的トラブル解決に向けた場所であり、国が設置しています。
法律相談を受ける際には無料での法律相談や、訴訟などを検討している際には前もって弁護士費用などを立て替えてくれます。
法的サポートを受けたい、援助を受けたい場合におすすめです。
まとめ
今回はハローワークでのパワハラ相談に関する話題をご紹介してきましたが、改めて今回紹介した内容を振り返っていきます。
- ハローワークにおいてパワハラ相談を行って退職理由を変えることは可能
- 自己都合退職と会社都合退職では給付制限の有無や給付日数などで違いが鮮明
- 会社都合退職に変更するにはパワハラの事実を立証するための証拠が必要
- パワハラに関する相談窓口はハローワーク以外に5つある
パワハラを受けて退職する際には、その前にパワハラの証拠をかき集めましょう。
録音データや日記、証言などを集めてハローワークに持ち込み、会社都合退職への変更が可能になります。
自己都合退職として2か月の給付制限を受けるのはあまりに理不尽なので、事前の対策をおすすめします。