うつ病で退職するデメリットとは?会社を辞める流れやメリットも解説

冴えない表情で頭を押さえるビジネスウーマン

うつ病で退職するデメリットとメリットは何?

うつ病で退職する手順がわからない…

休職するのってアリ?

本記事では上記の疑問やお悩みなどにお応えします。

うつ病を理由に退職を考えている方の中には、どのようなデメリットがあるのか気になっている方も多いでしょう。

結論、うつ病で退職するデメリットは、収入を失ったり一から転職活動をしたりする必要がある点です。

今回は、うつ病で退職するときのメリットとデメリット、退職する手順、休職などについて解説します。

最後まで読めば、うつ病で退職するときの不安を解消できるでしょう。

うつ病で退職するデメリット

机に向かい、冴えない表情をする女性

うつ病で退職することにはデメリットがあり、具体的には以下のとおりです。

  • 収入を失う
  • 転職活動する必要がある
  • 上司に伝える必要がある

ここから具体的に解説します。

収入を失う

うつ病で退職するデメリットの1つは、労働による収入を失うことです。

国の制度を利用することで、一定の生活レベルを維持することは可能となるものの、働いているときのような生活は難しいでしょう。

うつ病が原因でネガティブな感情になりやすく、収入を失うことで将来に対しての大きな不安を抱くこともあるかもしれません。

国の制度や機関などの利用を検討し、少しでも心の負担を軽減することが望ましいです。

転職活動する必要がある

うつ病で退職するデメリットの1つは、健康状態が回復したあとで転職活動する必要がある点です。

体の状態がよくなったと感じても、新しい職場で働き始めるとうつ病が再発する可能性もあります。

再発する不安があると、転職活動に対して前向きにとり組むことが困難になるケースもあるでしょう。

退職してからブランク期間があることで、転職活動の面接で深く質問される可能性があります。

うつ病になっている方の採用に関しては、見送りたいと考えている採用担当者もいることから、応募先の企業が限定される点もデメリットです。

障害枠で募集している企業への応募を検討するのも1つの方法です。

上司に伝える必要がある

うつ病で退職するデメリットの1つは、上司に退職の意志を報告する必要がある点です。

うつ病が原因で会社に迷惑をかけていると感じているタイミングで、退職の意志を伝えることに罪悪感を覚える方もいるでしょう。

上司との関係が悪い方にとっては特に、退職を言い出しにくいケースも考えられます。

直接会って伝えることが理想的ではあるものの、メールや電話、手紙など利用できる手段は他にもあります。

近年では退職代行サービスの利用者も増える傾向にあることから、退職代行サービスを利用して、退職手続きを一任するのも1つの方法です。

うつ病で退職するメリット

芝生の上で微笑む女性

うつ病で退職することはデメリットがあるものの、以下の通りメリットもあります。

  • 仕事に関する悩みがなくなる
  • 自分と向き合える
  • 治療に専念できる

ここから具体的に解説します。

仕事に関する悩みがなくなる

うつ病で退職するメリットの1つは、仕事に関する悩みがなくなる点です。

職場の対人関係や仕事内容に関して不満を抱いている方にとっては、退職することで心の負荷が小さくなるでしょう。

うつ病の原因は明確になっていないものの、以下の3つがあげられています。

  • 心理的ストレス
  • 脳内の変化
  • 体質

仕事を通して大きなストレスを感じていた方は、退職することで症状の改善が期待できるのみでなく、人生をやり直すこともできるでしょう。

人生で仕事をする時間が占める割合は大きく、仕事選び1つでも人生に対する満足度が変わってきます。

うつ病で退職することはつらい経験になるかもしれませんが、長い目で見るとよいきっかけになる可能性が高いです。

自分と向き合える

うつ病で退職するメリットの1つは、自分と向き合う時間を作れることです。

雇用形態や労働時間にもよるものの、休日以外は仕事と家事などのやるべきことで一日が終わる、という方もいるためです。

まさしく受け身の生き方で、自分の本心が望んでいるものを叶えたり、将来について考えたりすることは難しいといえます。

人は仕事をするために生まれてくるわけではなく、人生の中で幸せを感じたり喜びを感じたりする時間が多ければ多いほど、幸せな人生となります。

うつ病という形で、今の生き方に対して体がストップをかけてくれた、と考えてみると前向きに捉えられるでしょう。

自分の考えていることを明確にするには、些細なことでもなるべく紙に書き出すと効果的です。

治療に専念できる

うつ病で退職するメリットの1つは、病気の治療に専念できる点です。

うつ病を改善するうえでは、十分な休養をとることが基本となるためです。

休養をとりながら、医師から処方された抗うつ薬を半年以上服用するとよいでしょう。

抗うつ薬の他にも睡眠導入剤や抗不安薬などによって、うつの症状を改善することが期待できます。

退職することでできた時間を使い、散歩やサイクリングなど有酸素運動をするのも効果的です。

退職することで食事や睡眠、運動などの習慣を整えやすくなり、うつ病を改善しやすくなります。

うつ病で退職する手順

ボールペンを持つ女医

うつ病で退職するときは、以下の手順を踏むとスムーズです。

  • 病院で診断書を発行してもらう
  • 会社に退職意志を報告する
  • 傷病手当金の手続きをする

ここから具体的に解説します。

病院で診断書を発行してもらう

うつ病を理由に退職するときは、病院で診断書の発行を依頼するとよいでしょう。

診断書には症状や病名などが書かれてあり、公的な書類として会社や公的な機関などに提出できるためです。

うつ病で退職する場合、会社によっては診断書の提出を求められないケースもあります。

会社への提出のほか、傷病手当金の手続きにも提出できる点が診断書を発行してもらうメリットです。

休職申請するときに診断書の提出が必要となるケースもあることから、診断書の発行を依頼することは効果的です。

病院によって異なるものの、当日発行してもらえるケースもあれば、2週間程度かかるケースもあります。

あらかじめ、診断書の発行にかかる時間を確認しておくとスムーズです。

会社に退職意志を報告する

病院で診断書の依頼を済ませたあとは、会社の上司に退職の意志を伝えましょう

法律上は退職する2週間前に会社へ報告すればよいとされています。

症状や体調などにもよるものの、円満に退職するには1ヶ月前に報告できれば理想的です。

引き継ぎや有給の消化を済ませておけば、気持ちよく退職日を迎えられるでしょう。

ビジネスパーソンのマナーとして望ましくはないものの、うつ病で体調がよくない場合は即日退職も可能です。

自分の体調を最優先に、退職意志を報告するタイミングを見計らうのがポイントです。

うつ病であることを報告しにくい方は、「一身上の都合」としても問題ありません。

傷病手当金の手続きをする

会社に退職意志を報告したあとは、傷病手当金の手続きをするとよいでしょう。

うつ病を始めとする病気を理由に働けない方が対象で、国からお金を援助してもらえるためです。

傷病手当金とは会社で働いているときのみでなく、条件を満たせば退職後ももらえるのが特徴になります。

傷病手当金の基本情報は以下のとおりです。

条件・連続する3日を含み、4日以上働けない方
・休業期間中に給料をもらえない方
・仕事できない状態である方
・業務外の病気やけがで休職している方
申請方法健康保険組合に傷病手当金支給申請書を提出

うつ病の場合は退職でなく休職するのもあり

ベッドの上で寝ながらOKサインをする男性

うつ病を理由に退職を考えている方の場合、一旦休職するのも1つの方法です。

一般的に休職中は無給となるものの、うつ病の治療に専念したり今後について考えたりする時間を設けられるためです。

うつ病を発症すると、建設的なアイディアや考えなどがしにくくなります。

休職中に症状を改善させたり、ゆっくりと思考を巡らせたりする中で、納得のいく決断を下せるでしょう。

休職制度を設けることは企業にとって義務となっており、各企業によって異なるのが特徴です。

休職は会社に復帰することが前提と考えられているものの、職場へのマナーを押さえれば休職中に退職することも可能です。

住民税や社会保険料の支払いに関して、休職中も発生する点は理解しておくとよいでしょう。

うつ病で退職するなら会社都合

左手を掲げて笑顔を見せるビジネスウーマン

うつ病で退職する場合、会社都合退職としてもらえるとよいでしょう。

失業保険をもらうときに、自己都合退職した方よりも会社都合退職した方の方が有利になるためです。

  • 自己都合退職:受給期間は90日から150日。7日間の待機期間に加え、2ヶ月か3ヶ月の給付制限を経て入金してもらえる
  • 会社都合退職:受給期間は90日から330日。7日間の待機期間を経て入金してもらえる

会社都合で退職するには、長時間労働やパワハラなど、会社の労働環境や体制などが原因でうつ病を発症したと認められる必要があります。

社会的信用を失ったり、一部の助成金をもらえなくなったりすることから、退職理由を偽って記載する会社もある点は注意が必要です。

長時間労働やパワハラなどを証明できる書類や、音声などを保管しておくとよいでしょう。

退職理由について不服がある場合、ハローワークや労働局へ相談するのが望ましいです。

まとめ

うつ病で退職するデメリットとメリット、手順などを解説してきました。

本記事のまとめは以下のとおりです。

本記事のまとめ
  • うつ病で退職するデメリットは収入を失ったり転職活動をする必要が生じたりする点である
  • うつ病で退職するメリットは、仕事に関する悩みから開放されたり、自分と向き合う時間を設けたりできる点である
  • うつ病で退職するときは、手順を押さえるとスムーズに退職できる
  • うつ病で退職を考えている方は、休職するのも1つの方法である
  • うつ病で退職する場合、会社都合で退職すると失業保険をもらううえで有利になる

うつ病で退職することはデメリットもあるものの、その分多くのメリットもあります。

うつ病を発症していると、何事もネガティブに考えやすくなります。

退職という重要な決断をする前に、休職してじっくりと考えるのも1つの方法です。

本記事を参考に、うつ病で退職するときの疑問点や不安などを解消してもらえれば幸いです。