
産休後に退職しても大丈夫?

産休後に退職するときの注意点がわからない…
どんなメリットがあるの?
本記事では上記の疑問やお悩みなどにお応えします。
産休を取得している方の中には、職場復帰が難しいと感じているケースも多いでしょう。
結論、職場への気配りは必要であるものの、産休後に退職することは問題ありません。
今回は、産休後に退職するときのメリットやポイント、注意点、もらえる手当などを解説します。
最後まで読めば、産休後に退職するときの疑問点や不安などを解消できるでしょう。

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産休後に退職してもよい

産休後に退職することは可能で、あらかじめ以下の点を押さえておくのが基本となります。
- 法律上は退職してもOK
- 職場への気配りが必要
- 育児休業給付金は返金しなくてよい
ここから具体的に解説します。
法律上は退職してもOK
産休後に退職することを不安に感じている方も多いかもしれませんが、法律上は何も問題ありません。
民法や労働基準法では、以下の点について明記されているためです。
- 期間の定めがない労働契約を結んだ場合、本人次第で自由に退職できる
- 期間の定めがある労働契約を結んだ場合も、やむを得ない事情がある場合はすぐに退職できる※1年以上の契約の場合、1年経過した翌日以降はいつでも退職できる
「産休後に職場復帰しなくてはいけない」とする法律もないことから、産休後に退職するか復職するかは、本人次第であるといえます。
退職するべきか迷っている方は、時短勤務させてもらうのも1つの方法です。
時短勤務とは法律で決まっている制度で、すべての会社に導入することが義務づけられています。
3歳までの子どもがいる場合、1日の労働時間を原則6時間にしてもらえるのが特徴です。
勤務開始から1年以上経過していない方の場合、労使協定で認められないと利用できない点は注意が必要です。
職場への気配りが必要
法律上は問題ないものの、産休後に退職する場合は、職場に対して気配りをするのがポイントです。
産休とは職場に復帰することが前提と考えられており、退職するとビジネスパーソンとしてマナー違反になる可能性があるためです。
復帰することを前提に現場を管理している上司や同僚にとって、産休後の退職は身勝手だと捉えられるケースもあるでしょう。
退職せざるを得なくなった理由を明確に伝えたり、職場に対してお礼の気持ちを伝えたりすると納得してもらいやすくなります。
職場は採用や部署異動などの対応を迫られるケースもあることから、2週間前といわず、なるべく早く伝えるのが望ましいです。
引き継ぎができていない場合、会社に連絡したうえで指示に従うのも1つの方法です。
育児休業給付金は返金しなくてよい
産休後に退職するときに、育児休業給付金は返金する必要がありません。
育児休業給付金とは、休業中の生活費をサポートすることや出産・育児によって離職することを防ぐことなどが目的です。
育児休業給付金をもらっている途中で退職すると、当月以降の給付を受けられなくなるものの、返金する決まりはないためです。
育児休業給付金の支給がなくなると、同時に社会保険料の支払をする必要が生じる点は注意が必要になります。
育児休業給付金をもらっているときに退職する場合、金銭面でのデメリットを考慮したうえで判断するとよいでしょう。
産休後の退職で申請できる手当・給付金

産休後に退職する場合、条件を満たせば以下の手当や給付金をもらえる可能性があります。
- 失業手当
- 出産手当金
- 出産一時金
- 育児休業給付金
ここから具体的に解説します。
失業手当
産休後に退職したときに、もらえる可能性があるのは失業手当(失業保険)です。
すぐに働ける意志や状態にあることが条件の1つで、働けない方はもらえません。
失業手当をもらえるのは、原則として退職した翌日から1年以内です。
ただし、出産や育児などで働けない方の場合、最長4年まで延長手続きが可能となっています。
出産手当金
産休後に退職したときに、もらえるお金の1つは出産手当金です。
出産手当金とは社会保険に加入している方がもらえるお金で、以下の特徴があります。
- 出産日以前の42日前か、出産日の翌日以後56日までで、出勤せずに給料を支払ってもらっていない期間が対象となる
- 月収の3分の2に相当するお金をもらえる
出産手当金を申請する場合、産前分と産後分にわけて申請もできます。
出産一時金
産休後に退職したときにもらえるお金の1つは、出産一時金です。
出産一時金とは、妊娠4ヶ月以上の方が出産したときにもらえるお金のことです。
出産する病院や妊娠期間などによって出産一時金でもらえるお金は異なり、50万円か48万8,000円となっています。
育児休業給付金
産休後に退職したときにもらえるのは、育児休業給付金です。
育児休業となっている翌日から、子どもが満1歳になる前日までもらえます。
条件を満たせば、女性のみでなく男性も育児休業給付金をもらえるのが特徴です。
産休後に退職するメリット

産休後に退職する場合、以下のメリットを得られるのが特徴です。
- 出産・育児に時間を使える
- 仕事のストレスがなくなる
- 自分と向き合える
ここから具体的に解説します。
出産・育児に時間を使える
産休後に退職すると、出産や育児に多くの時間を費やせる点がメリットです。
「3歳児神話」や「愛着理論」などがあるように、3歳児までの育児は特に重要であると考えられているためです。
子育てで後悔するのを防ぐうえでは、少しでも子どもと一緒にいる時間を長くし、多くの愛情を注ぐのが効果的になるでしょう。
仕事のストレスがなくなる
産休後に退職すると、仕事から感じるストレスをなくせる点がメリットです。
仕事をしていると、職場の人間関係や給料・仕事内容が原因のストレスを感じやすいためです。
仕事で抱えるストレスが原因となる精神疾患の数は上昇し続ける傾向にあり、現代はストレスを感じやすいともいえます。
仕事を辞めることで、体調や気分がよくなる可能性も考えられます。
母親が機嫌よくいると子どもは安心できることから、仕事のストレスをなくすと子育てによい影響があるでしょう。
自分と向き合える
産休後に退職すると、自分と向き合う時間を作りやすくなります。
一日中子どもと向き合うことでストレスを抱える方が多くいる一方で、以下のとおり工夫次第では時間を捻出できるためです。
- お掃除ロボットやドラム式洗濯乾燥機など、時短家電を購入する
- 早起きする
- 優先順位をつけ、時間の使い方を考える
- 家事代行サービスを利用する
自分の心とじっくり向き合うときは「本当は何をしたいのか」を問いかけ、でてきた答えに対して、少しでも実践することがポイントです。
産休後に退職するときの注意点3つ

産休後にやむを得ず退職する場合、以下の点に注意が必要です。
- 保育園を利用できない
- 保育園を退園させられる
- 収入が減る
ここから具体的に解説します。
保育園を利用できない
産休後に退職するときの注意点は、保育園を利用できない点です。
保育園を利用するには、就労をしていたり求職活動をしたりしていることが条件となっているためです。
産休後に退職した場合、保育園を利用するには以下の条件を満たす必要があります。
- 妊娠中か出産から時間が経っていないこと
- 病気や障害などがあること
- 一緒に住んでいる親族の介護が必要であること
- 災害の復旧にあたっていること
産休後に保育園を利用したいと考えている方は、条件を満たせているかチェックしておきましょう。
保育園を退園させられる
産休後に退職するとき、通っている保育園を退園させられる点には注意が必要です。
前述の通り、保育園に子どもを通わせるには、基本的に就労していたり求職活動をしたりしている必要があるためです。
自治体によって異なるものの、退職した月の月末で退園となるケースもあります。
収入が減る
産休後に退職するとき、世帯収入が減る点は注意が必要です。
パートナーの収入のみに頼る場合、生活費をうまくやりくりする必要がでてくるかもしれません。
自分の趣味や娯楽などに使っているお金を減らすと、ストレスの原因となる可能性もあります。
自分のスキルや知識などで稼げるように、副業を始めたり資格取得の勉強をしたりするのもよいでしょう。
産休後に退職するときのポイント

産休後に退職する場合、以下のポイントを押さえておくとよいでしょう。
- 退職の旨を早めに伝える
- 納得してもらえる退職理由を伝える
- 退職後の計画を練る
- 引き継ぎをする
- 子どもの預け先を決める
ここから具体的に解説します。
退職の意志を早めに伝える
産休後に退職するときは、職場に対して一日でも早く報告しましょう。
産休とは職場復帰を前提とする制度で、基本的に職場の上司は辞めることを想定していないためです。
民法では2週間前に退職の意志を示せばよいとされているものの、円満に退職するには1ヶ月前に伝えるのが望ましいです。
一日でも早く退職の意志を伝えることで、職場の理解を得やすくなり、スムーズに退職できる可能性があがるといえます。
納得してもらえる退職理由を伝える
産休後に退職するときは、上司に納得してもらえる退職理由を伝えるのがポイントです。
退職理由によっては、上司の引き止めに合ったり、不快な気持ちにさせたりする可能性もあるためです。
原則として、職場の不平や不満をいうのは控え、以下のとおり前向きな退職理由を伝えましょう。
- 育児に専念して、子どもの成長を見守ってあげたいから
- 産休中に自分と向き合う中で、本当にやりたい仕事を見つけたから
- 子どもが病気がちで、職場に迷惑をかけるから
上司に会ったうえで直接伝えるのが理想的ですが、難しいと感じている方は電話やメールなどを利用するとよいでしょう。
退職後の計画を練る
産休後に退職するときは、これから何をするのか明確に決めておくのがポイントです。
子育てや家事、仕事など考えることは多岐に渡るためです。
パートナーや家族と相談したうえで将来設計を決めると、決断するときに迷いにくくなるでしょう。
現実的に対策できることと対策できないことを分けて考え、対策できることに集中するのがポイントです。
引き継ぎをする
産休後に退職するときは、なるべく引き継ぎをしておくのがポイントです。
十分に引き継ぎをせずに辞めると、職場に迷惑をかけるのみでなく、罪悪感を抱きやすくなるためです。
罪悪感を抱くと、次の仕事に応募しにくくなるなど、自分に対して制限をかけることもあるでしょう。
引き継ぐことが残っている場合、ノートや書類などにわかりやすくまとめたうえで、職場の同僚や上司に渡すのも1つの方法です。
退職代行を利用する
産休後に退職するときは、退職代行を利用するのが1つの方法です。
退職に関することをすべてやってもらえるため、産休後に退職することを職場に言い出しにくい方にとって有効です。
マナー違反だと考える方もいることから、退職する方法として望ましいものだとはいえません。
上司や職場との関係が悪くて言い出せない場合など、よく検討したうえで利用するのがポイントです。
産休後の退職に関するよくある質問

産休後の退職に関するよくある質問をまとめました。
ここから具体的に解説します。
産休後に退職するのはルール違反?
産休後に退職するのはルール違反ではありません。
法律において、労働者の退職の自由が決められているためです。
厚生労働省の実施した調査においても、全体の労働者のうち育休後に退職した方は3割になることが判明しています。
ただし、産休は職場復帰することが前提であると考えられているため、職場に対して引き継ぎをしたり感謝の気持ちを伝えたりするのはマナーです。
産休を理由に退職すると失業保険はもらえる?
条件を満たせばもらえます。
失業保険をもらうのに必要な条件は以下のとおりです。
- すぐに働ける環境や健康状態が整っていること
- 働く意志があり、求職活動をしていること
- 退職する2年間で1年以上失業保険に加入していること
産休で退職する方の場合、退職する直前の4年間で1年以上失業保険に加入している必要があるものの、条件面が緩和されます。
産休中に有給は消化できる?
産前休暇であれば消化できます。
労働基準法の母性保護規定によって、産休休暇中に有給を取得することに関しては認められていないためです。
産休後に退職する場合、産休後に有給を取得したうえで退職することも可能です。
有給を取得することに罪悪感を抱く方もいるかもしれませんが、労働者の権利として認められています。
円満に退職するには、一日でも早く退職の意志を伝えるのがポイントです。
まとめ
産休後に退職するメリットやポイント、注意点などを解説してきました。
本記事のまとめは以下のとおりです。
- 産休後に退職するのは、法律上問題にならない
- 産休後の退職で申請できるのは、失業手当や出産手当金などである
- 産休後に退職すると、出産や育児に多くの時間を使えたり、仕事のストレスがなくなったりする点がメリットである
- 産休後に退職するときは、保育園を利用できなくなったり退園させられたりする点に注意が必要である
- 産休後に退職するときは、退職する意志を早めに伝えたり、納得してもらえる退職理由を伝えたりするのがポイントである
産休後に退職するのは、ビジネスマナー上望ましいものではないものの、法律では認められています。
子ども、生活、家族、仕事のことなどを踏まえたうえで、慎重に判断するとよいでしょう。
職場に対して礼を尽くして退職すると、感謝されたり次のステージに進みやすくなったりする効果が期待できます。
本記事を参考に、産休後に退職するときの疑問点を解消してもらえれば幸いです。