傷病手当金と失業保険は同時にもらえる?
傷病手当金や失業保険ってどういう制度?
傷病手当金から失業保険に切り替える方法がわからない…
本記事では上記の疑問やお悩みなどにお応えします。
病気によって傷病手当金をもらっている方の中には、傷病手当金の特徴や失業保険と同時にもらえるのかがわからず困っている方もいるでしょう。
結論、傷病手当金とは病気やケガが原因で働けないときにもらえるお金であり、失業保険と同時にはもらえません。
今回は、傷病手当金の特徴について具体的に解説します。
最後まで読めば、傷病手当金と失業保険の特徴や異なる点などについて理解できるでしょう。
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傷病手当金とは
傷病手当金をもらえれば病気やケガによって働けない期間の生活面の助けになることから、以下の通り特徴を理解しておきましょう。
- 雇用保険の傷病手当との違い
- 傷病手当金をもらえる条件
- 傷病手当金をもらえる金額
ここから具体的に解説します。
雇用保険の傷病手当の違い
傷病手当金とは、病気やケガなどにより働けなくなった方や家族の生活をサポートすることを目的とする制度で、休職中に会社から十分な給与を得られない場合にお金をもらえるのが特徴です。
条件を満たせば、加入している健康保険や共済組合から最大で1年6ヶ月間お金をもらえます。
傷病手当金をもらいたい場合は、健康保険組合や協会けんぽなどに申請するのがポイントです。
ケガや病気で求職している方全員が対象ではなく、会社から休職手当などをもらえないケースに限られる点は注意が必要です。
雇用保険の傷病手当とは、ハローワークで求職申請をしたあとにケガや病気で15日以上働けない状態になった方をサポートする制度になります。
傷病手当でもらえる金額は失業保険の金額と同じで、失業保険の受給条件を満たす方が対象となります。
傷病手当金と異なるのは、ハローワークからお金をもらう点や受給条件、金額、期間などです。
傷病手当をもらうには、傷病手当支給申請書を記入してハローワークへ提出する必要があります。
傷病手当支給申請書は、ハローワークのWebサイトかハローワークで入手することが可能です。
傷病手当金をもらう5つの条件
傷病手当金をもらうには条件を満たす必要があり、具体的な条件は以下の通りです。
- 勤務時間以外で発生した病気やケガの療養中であること:勤務中、通勤途中で発生したものは対象外となる
- 働けない状態にあること
- 連続で3日間仕事を休んだうえで、4日目以降にも休んだ経緯があること:4日目以降の休職日から傷病手当金の支払い対象となる
- 休職中に給与や手当の支払いがないこと:有給を取得している方は対象外となる
- 国民健康保険に加入していないこと
条件を満たす方は、仕事を休んだ日の合計が1年6ヶ月に達するまでお金を支給してもらえます。
もし、休職中に出勤した日がある場合、傷病手当金の支給対象外となります。
傷病手当金をもらえる金額
傷病手当金でもらえる金額の目安は、給料の約3分の2となります。
健康保険に加入していた期間により、以下の2つに分かれるのが特徴です。
- 支給開始日までの健康保険の加入期間が12ヶ月未満:①継続した各月の標準報酬月額の平均÷30日×2/3②前年度9月30日時点の標準報酬月額の平均値÷30日×2/3※①②の少ない方に該当する金額をもらえる
- 支給開始日までの健康保険の加入期間が12か月以上:12ヶ月間の各標準報酬月額の平均÷30日×2/3
標準報酬月額とは、3ヶ月分の給料をもとに計算されるもので、1から50までの等級(厚生年金の場合は32まで)に分けられるのが特徴です。
失業保険とは
失業保険とは、退職した方が一日でも早く再就職できるように、生活資金のサポートをする制度です。
退職すれば失業保険をもらえるわけではなく、以下の条件を満たす必要があります。
- 退職するまでの直近の2年間で、12か月以上雇用保険の被保険者となっている
- すぐにでも再就職する気持ちや環境にあり、熱心に求職活動をしているものの、採用してもらえない
退職後に独立・開業の準備に専念する方や、妊娠・出産の予定があり働けない方、しばらく休みたいと考えている方などの場合は、失業保険をもらえません。
傷病手当金と失業保険は同時にもらえるのか
傷病手当金と失業保険を同時にもらえれば、より失業中の生活の糧になると考えている方もいるでしょう。
- 両方同時にはもらえない
- 失業保険を延長しよう
ここから、上記の点について具体的に解説します。
両方同時にはもらえません
傷病手当金と失業保険は、同時にはもらえません。
傷病手当金はケガや病気で働けない方をサポートするものである一方、失業保険は働ける状況にあっても就職できない方をサポートするものであるためです。
退職したあとは傷病手当金をもらいながら治療に専念し、働ける健康状態になったあとで失業保険をもらうのがポイントです。
相反する制度であることから、両方同時にもらう方法はないと理解しましょう。
傷病手当金をもらっている1年6ヶ月の間に、失業保険の給付期間の1年が終了する恐れもある点は注意が必要です。
失業保険の延長について
前述の通り、傷病手当金は最大で1年6ヶ月の給付期間、失業保険は退職した日から1年の給付期間があります。
傷病手当金と失業保険の給付期間が重なる場合、失業保険の延長手続きをするとよいでしょう。
失業保険を延長できる期間は最大で3年となっており、給付期間を延長することでもらい損を防げます。
傷病手当金の受給対象となっている方が失業保険を申請する場合、通常3ヶ月から4か月かかる給付制限(自己都合退職の場合)がなくなるのが特徴です。
給付制限がなくなることで、生活費の負担を軽減する効果が期待できます。
失業保険を延長するには、居住地を管轄するハローワークで失業保険受給期間延長申請書を入手し、記入したうえで提出する必要があります。
ケガや病気、妊娠などにより、書類を取りに行ったり提出したりできない場合の対策方法は以下の通りです。
- 代理人に依頼する
- 郵送で提出する
失業保険受給期間延長申請書を提出するときは、離職票や必要に応じて診断書を添えるのがポイントです。
郵送で提出する場合も、居住地を管轄するハローワークへ送る点は注意が必要です。
失業保険の受給期間を延長する場合の注意点
失業保険の受給期間を延長するときは、なるべく早くハローワークで手続きをするのが望ましいです。
延長手続きが可能な期限は決まっており、期限までに手続きを終えられないと失業保険の受給期間を延長できなくなるためです。
失業保険の延長手続きが可能となるのは、退職日(1日目)から30日経過後の翌日以降か、継続して30日以上働けないことが判明した日の翌日以降と定められています。
例えば、7月31日に退職した場合、8月30日以降に延長手続きができます。
平成29年より、妊娠などの理由で退職してから30日以上働けないことが明確である場合は、受給期間を延長したあとの満了日までに申請することが可能となりました。
ただし、申請期限までに手続きを終えられない場合、延長の許可を得られなくなる点は注意が必要です。
申請が遅れると、失業保険の一部をもらえなくなるリスクがあります。
失業保険の延長申請期限までは十分な期間が設けられているといえますが、なるべく早めに手続きを済ませるとよいでしょう。
傷病手当金から失業保険に切り替えるタイミング
傷病手当金から失業保険に切り替えるタイミングは、傷病手当金をもらい終わったあとです。
傷病手当金をもらえる期間は1年6ヶ月で、人によっては退職後1年以上もらうケースもあるでしょう。
前述の通り、失業保険の受給期間を延長することで、失業保険のもらい損を対策できます。
傷病手当金から失業保険に切り替える流れは、具体的に以下の通りです。
- ハローワークで失業保険の延長手続きをする(離職票、雇用保険受給資格者証、受給期間延長申請書、診断書などを提出)
- 医師から就労可能となった証明書を取得する
- 傷病手当金の受給をストップし、ハローワークへ受給期間延長通知書、雇用保険受給資格者証などを提出する
- 7日間の待期期間を経て失業保険を受け取る
失業保険の延長手続きや傷病手当金の受給をやめることの連絡に関しては、ハローワークにしましょう。
必要書類や手続きなどでわからない点があれば、ハローワークへ問合せるのがポイントです。
まとめ
ここまで、傷病手当金の特徴や、傷病手当との違い、失業保険と同時にもらえるのかなどを解説してきました。
本記事のまとめは以下の通りです。
- 傷病手当金とは病気やケガなどにより働けなくなった方をサポートする制度で、健康保険組合や協会けんぽから支給される
- 失業保険とは退職した方が一日でも早く再就職できるように、生活資金をサポートする制度である
- 傷病手当金と失業保険は、受給条件が相反することから同時にはもらえない
- 失業保険の受給期間を延長するときは、なるべく早くハローワークへ申請するのが望ましい
- 傷病手当金から失業保険に切り替えるタイミングは、傷病手当金をもらい終わったタイミングとなる
傷病手当金は雇用保険の傷病手当とは異なるもので、状況に応じて失業保険の受給期間を延長するのがポイントです。
失業保険の受給期間は退職した翌日から1年間となっている点を理解したうえで、ハローワークで手続きをするか判断するとよいでしょう。
本記事を参考に、傷病手当金の特徴や失業保険と同時にもらえない点について理解していただければ幸いです。