失業保険の不正受給はバレるのか?事例や対処法を解説

失業保険の不正受給はバレるのか?事例や対処法を解説

会社を退職した際に、セーフティーネットとして一定期間支給されるのが失業保険です。

この失業保険を不正な形で受給する、失業保険の不正受給が問題となっています。

バレなければ大丈夫と思っている方もいるかもしれませんが、失業保険の不正受給は確実にバレます

この記事では、失業保険の不正受給はバレることを中心に、失業保険の不正受給となるケースやペナルティ、万が一不正受給をしてしまった場合の対処法などをご紹介していきます。

最後までご覧いただければ幸いです。

失業保険の不正受給は基本的にバレるのでやめるべき

失業保険の不正受給ですが、基本的にバレます

不正受給が発覚する理由として以下のケースが考えられます。

失業保険の不正受給がバレるケース
  • コンピューターシステムでの調査
  • 事業所調査や家庭訪問などハローワークによる調査
  • 市民からの密告

例えば、ハローワークには内緒で既に就職をしているものの失業保険を得ようとウソをついた場合、就職先で社会保険に入ることでそのデータがハローワークに届き、ウソが発覚します。

また投書や電話など、市民から密告が入り、その密告からハローワークが調査を始めて不正受給が発覚するケースも。

どうせバレないだろうと思っていても様々な形で情報がハローワークに伝わるため、不正受給は基本的にバレると思った方がいいでしょう。

失業保険の不正受給となるケース

失業保険の不正受給としてありがちなケースを以下にまとめました。

失業保険の不正受給のケース
  • 就職や就労の事実を申告しなかった
  • 求職活動実績などをごまかして申請した
  • 内職などを行い、収入を得ていたことを申告しなかった
  • 自営業を始めた、もしくは準備を行った
  • 会社役員や顧問などに就任した事実を申告しなかった
  • 傷病手当金や休業補償給付などを受け取っているのに申告しなかった
  • 就労できる状態ではなくなったのに申告しなかった
  • 他の人に失業認定を受けさせた
  • 診断書などを偽造するなどして受け取った
  • 離職の理由を偽った

失業保険の不正受給は、収入を伴わなければセーフとはなりません

たとえ収入がなかったとしても就職・就労・内職・自営を始めたり、準備を行ったりしたら、必ずハローワークに申告を行う必要があります。

注意したいのは試用期間など見習い期間がある場合で、この期間も申告する必要があるため、うっかり申告を忘れると不正受給とみなされる可能性があるので気を付けましょう。

また不正な申告も基本的には不正受給の対象であり、診断書などの偽造で受け取った場合など、犯罪として告訴される可能性も考えられます。

一方で失業保険をもらいながら、並行してアルバイトなどを行うこと自体は決して違法ではありません。

労働時間などに応じて失業保険が減額されたり、給付日数が先延ばしになったりすることはあるものの、アルバイトなどの就労自体は認められています。

大事なことは、何かあればすぐにハローワークに申告を行うことであり、黙っていたり、ウソをついたりすることは厳禁です。

失業保険の不正受給のペナルティ

失業保険の不正受給が万が一発覚した場合、不正受給に対するペナルティは大きく分けて4つです。

  • 不正発覚後は失業保険をもらえなくなる
  • 受給した失業保険を全額返還する必要がある
  • 悪質な場合は受給額の3倍の返還が求められる
  • 返還しない場合は財産差し押さえも

不正受給が発覚することでどんなペナルティがあるのか、1つずつ解説します。

不正発覚後は失業保険をもらえなくなる

最初のペナルティは、不正受給が発覚したらその時点で失業保険がもらえなくなることです。

不正行為があった日からすべての給付が受けられなくなり、「支給停止」と呼ばれています。

この場合の「不正行為があった日」は、正しく申告を行わなかった日であり、それ以降に支給された失業保険は即刻返還しなければなりません。

給付日数が多く残っていても、不正行為が発覚すれば以降の給付は受けられなくなる重い処分です。

ちなみに、その後就職して新たに受給資格を得た場合には新たな受給資格に応じた失業保険が利用可能です。

受給した失業保険を全額返還する必要がある

2つ目のペナルティは、受給した失業保険を全額返還する必要があることです。

不正受給で得たお金は必ず返還しなければならない、「返還命令」が出されることになります。

返還の対象となるのは不正行為があった日から受け取った失業保険であり、正しく申告して受給した失業手当は返還の対象外です。

仮に4週28日分を丸々不正受給した場合、その額はかなりのものとなるので、全額返還はかなり大変でしょう。

悪質な場合は受給額の3倍の返還が求められる

3つ目のペナルティは、不正受給が悪質だった場合には受給額の3倍の金額を納付しなければならないことです。

悪質なケースでは不正受給で得た金額の2倍の納付が命ぜられる、「納付命令」が出されます。

先ほどの返還命令と納付命令はセットになるため、結果的に不正受給で得た金額の3倍を納付しなければなりません。

ちなみに全額返還が終わるまでは年5%の延滞金が生じるため、素早く返還しなければ本来払うべき金額以上の負担を強いられることになります。

返還しない場合は財産差し押さえも

4つ目のペナルティは、返還しなかった場合に財産の差し押さえもあることです。

基本的には即刻全額返金が求められるため、一括返済ができない場合などはハローワークなどで相談を行うことになります。

一方で返還をしない場合には財産の差し押さえが行われ、強制的に弁済するような形になるでしょう。

財産の差し押さえに至るまで、延滞金も上乗せされており、余計に負担を強いられることになります。

家族に不正受給の事実を伝えていなかったとしても財産の差し押さえでバレてしまうため、最初から不正受給に手を染めないことをおすすめします。

失業保険を不正受給してしまった場合の対処法

万が一、失業保険を不正受給を行った場合に取るべき対処法は、自ら不正受給をしてしまったことをハローワークに申告することです。

仮に不正受給の事実を自ら白状したところで、ペナルティを回避することはできず、不正受給額の3倍を納めなければならない可能性も否定できません。

しかし、不正受給を自ら申告した事実や不正受給の期間の短さなどから情状酌量の余地が認められることも十分に考えられます。

不正受給の場合、かなり悪質だと刑事事件で告発されることも考えられるため、のちに調査で発覚する前に申告した方がいいでしょう。

その間も延滞金が生じることになり、発覚するまでの期間が長ければ長いほど負担は増すので、大いに反省をして1日でも早く返還を済ませることをおすすめします。

まとめ

今回の記事では、失業保険の不正受給はバレるという点を中心に解説を行ってきました。

最後に今回の内容をおさらいしていきます。

  • 失業保険の不正受給は基本的にバレる
  • 失業保険の不正受給はコンピューターでの照合やハローワークの調査、密告などで発覚しやすい
  • 収入を友わなくても就職や就労などの事実、準備があれば必ず申告する
  • 不正受給のペナルティは重く、失業保険がもらえないばかりか、受給額の3倍の返還が求められる
  • 不正受給をしてしまったら、1日でも早く申告し、すぐに返還する

失業保険に限らず、不正受給に対する世間の風当たりは強く、失業保険の不正受給が発覚すれば社会的信用は一気に失墜します

一方で、不正受給のつもりがなくても、うっかりミスで結果的に不正受給となる場合も考えられるでしょう。

求職活動実績など不明な点があれば、自分で解決しようとせず、どんな細かいことでもハローワークの窓口で相談することをおすすめします。

正直に申告する方にとって不正受給は関係ない話に思えますが、ちょっとした勘違いは起こりうるため、受給中は気を付けて申告などを行いましょう。